アツイアツイ。デモ、シアワセ。
先日、任期を終えて帰国を明日に控えた青年海外協力隊の隊員さんがうちのオフィスを訪ねてくれました。 いや、お世話になったのはこっちですー、とわざわざ挨拶に来てくれたお礼をもぞもぞ言っていると。 入り口のところで、家族連れらしい父親が、何か紙を見せながらやっぱりもぞもぞ言っている。 うちのオフィスは一階にあるので、ひろーい意味で寄付を募る人たちがたくさんやって来ます。中でも、こういうふうに診断書片手に「病気なので治療費を寄付して」というのはかなりスタンダードなスタイル。ですから、「・・・うそじゃろ」とすぐに判るような人も結構いる。 しかも、実際このタイプは毎日のようにやってくるので、いちいち事情を聞いて本当かどうか考え込んでいる暇なぞありません。っていうよりうちが援助して欲しいくらいなのに。 というわけで、私はこういう方々には基本的にまったく耳を貸さず、そのままお帰りいただいております。 でも、入り口のそばに座っていた彼はしばらくの黙って聞いていた後おもむろに振り向いて、そのぶっきらぼうに寄付を頼んでいた父ちゃんに尋ねました。 「どうしたって?」 「子供が病気で手術しないといけないけどお金がないんだ」 「何の病気」 「お腹」 「子供は何歳」 「9ヶ月」 「カンティ(公立の小児専門病院)に行けばいいじゃない」 「行ったよ。これが診断書だ」 「ああいうところじゃ、お金がない人に援助してくれるだろ」 「手術に2万5~6千ルピーかかるんだ。半額出してくれるけど、それじゃ足りない」 「ふーん」 彼もまたぶっきらぼうにお金を出して、父ちゃんも相変わらずの調子で、それでも、お礼を言って帰っていきました。 「・・・すいません。俺、病院勤務だからああいうのに弱くって。あの話もホントかうそかよく判らないけど・・・」 って、なんであんた謝ってんのよ。 父ちゃんが来たときから、キミがお金をだすのはわかってましたって。 話が嘘でもほんとでも。 あの父ちゃんはそのお金で酒飲んだりしない、って思ったからあの額出したんでしょ。 キミの同期も先輩も後輩も、きっと誰もがこのシチュエーションなら出してたと思う。 最後の最後まで、ネパールのためにありがと。そしておつかれさまでした。 いつも隊員さんには言えないのでここで。 誰か読んでくれているといいなと思いながら。
by noz-tr
| 2009-06-20 16:22
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